建設業労災保険の仕組みと保険料
労災保険とは、仕事中や通勤時に事故や災害などあった場合に、
給付金がもらえる制度です。
正式名称は労働者災害補償保険です。
労災保険の保険者は政府です。
労災保険は一人ひとり加入するものではなく、
会社や事業所が加入することで、
労働者一人ひとりを保護するものとなっています。
労災保険は、1人でも労働者を使っているところは、
強制加入になります。
一般企業では、社員は所属する会社の労災保険で保護されています。
そして基本的には事業者である社長は労働者ではないため、
労災保険には加入できず給付はありません。
給付を受けるには特別加入する必要があります。
一方、建設業は、請負関係で仕事が行われています。
下請会社の社員は元請会社が請け負った建設現場で仕事をしているので、
自分の会社の労災保険ではなく、元請会社の労災保険で保護されます。
そして一般企業と同じく、特別加入を除き、
下請の社長も元請の社長も普通には労災保険に入れません。
労災保険の労災保険率は、事業の種類によって異なっており、
危険な仕事ほど保険率は高くなります。
建設業は1~1.9% です。
ちなみに、金融・保険・不動産業は0.25%、
水力発電施設や隧道等新設事業は8.9%になっています。
労災保険料は、★賃金総額×労災保険料で算定されますが、
建設業は工事全体の支払賃金総額を把握することが難しいため、
例外として、請負金額×労務費率を★賃金総額とすることが認められています。
労務費率は21~38% です。
保険料は、全額事業主負担になっています。