建設業労災保険は労働者の保険
地方の建築会社に勤めて、10年になります。建設会社は一般の会社とは少し違って、工事現場があります。工事現場では元請業者の従業員その下請業者、さらに孫請業者と数多くの方が出入りし建築物を完成させますので「労働者」には自分の会社以外の従業員も含まれるのです。
従って建設会社では工事現場で起きた労働災害は下請業者の従業員や孫請業者の従業員であっても元請業者の「建設業労災保険」で補償することになります。保険料についても請負金額より計算されるので元請が支払うことになります。「建設業労災保険」は労働者の保険ですので、下請業者や孫請業者の事業主、つまり社長は補償の対象から外れてしまいます。
しかし実際には、一人親方の下請業者も多く事業主であっても現場で作業される方がおられます。私の会社では下請負をしてくだる取引業者には事業主の補償がある保険に入っていただく事が取引業者と認定させていただく条件のひとつになっています。
下請業者を対象に、毎年6月下旬から7月初旬の間に「安全大会」を開催しています。年間の現場安全パトロール実施の報告や各地で起こった事故の事例を参考に事故防止の対策を周知徹底したりと、ゼロ災害の継続を目標に行っています。そこでも「建設業労災保険」について実際に労働災害が起こってしまった場合はどのような流れで補償が受けられるのか、また元請業者と下請業者の責任区分など理解していただけるように講演も行っています。
「建設業労災保険」は必ず必要ですが、補償を受けることがないように、無事故・無災害が継続できるように努力する限りです。